リソース/Cultural Bridge Leadership
Cultural Bridge Leadership

根回しとは?日本の合意形成を解説

根回しは、日本のビジネスにおける意思決定を支える静かな下準備です。意味、重要な理由、日本人の同僚との実践方法を解説します。

公開日 2026年10月1分で読めます

根回しとは、日本のチームが正式な意思決定の前に行う非公式な下準備のことです。一対一の対話で懸念を集めて事前に合意を築き、会議を議論の場ではなく、決定を確認する場にします。もとは、木を移植する前に根の周りを整える園芸用語です。

日本人の同僚との会議で筋の通った提案をしても、丁寧な沈黙が返ってきて、その後何も進まなかった経験はありませんか。そんなとき、足りないのは多くの場合、根回しです。この記事では、根回しとは何か、なぜ機能するのか、自分で実践するにはどうすればよいかを解説します。

根回しとは、具体的にどういう意味ですか?

根回しとは、正式な会議の前に、非公式な対話を通じて意思決定の下準備をすることです。園芸では、木を移動しても枯れないよう、根の周りを丁寧に掘って整えることを指します。ビジネスでは、「木」が提案、「根」がその影響を受ける人々にあたります。

実際には、決定の影響を受ける人が、早い段階で、個別に話を聞き、率直に反応する機会を得ることを意味します。全員が集まる頃には、主な懸念はすでに出され、提案は調整されており、会議は決定を確認し記録する場になっています。

💡
重要ポイント 多くの日本のチームでは、会議は決定を「する」場ではなく「確認する」場です。本当の対話は、その前に、一人ずつ行われています。

なぜ日本のチームは根回しを重視するのですか?

根回しは、それが何を守っているかを見ると納得できます。集団の前で異論を唱えると、相手の面子を傷つけかねないため、避けられます。会議の場で否決された提案は、発案者を恥ずかしい思いにさせかねません。事前の下準備なら、人は安心して疑問を口にでき、提案者は信頼を損なわずに問題を修正できます。

また、根回しは当事者意識を育てます。早い段階で意見を聞かれた人は、その決定を自分ごととして感じやすく、実行もスムーズになります。これは、日本のビジネス文化が直接的な反対意見をどう扱うかという、より大きな傾向ともつながっています。詳しくは異文化間のビジネスコミュニケーションの「暗黙のルール」を理解するをご覧ください。

根回しと稟議はどう違いますか?

稟議とは、書面の提案を承認が必要な一人ひとりに順に回し、多くの場合は押印を得る、正式な承認手続きです。根回しは、その前に行う非公式なステップです。根回しがうまくいった提案は、承認者がすでに案を知り、懸念も解消されているため、稟議をスムーズに通ります。

根回しは、どんな手順で行えばよいですか?

日本にいなくても実践できます。日本人の同僚、あるいは会議での不意打ちを好まないチームとは、次の順序を試してみてください。

  1. 影響を受ける人を洗い出す。 提案が通ると仕事が変わる人を、会議に出ない人も含めて挙げます。
  2. 早く、非公式に始める。 完成版ではなく、ラフな草案を、短い一対一の対話で共有します。
  3. 賛成ではなく、懸念を尋ねる。 「賛成ですか?」より「どんな問題がありそうですか?」のほうが多くを引き出せます。
  4. 提案を修正し、それを伝える。 何をどう変えたか、誰の意見が反映されたかを持ち帰ります。
  5. 会議は確認の場にする。 会議の時点で、驚きはほとんどないはずです。決定を確認し、誰が何をするかを決めます。
✅
試してみましょう 日本のチームとの次の提案会議の前に、最も影響を受ける2〜3人を選び、それぞれと10分間の一対一の対話を持ちましょう。尋ねるのは一つだけ。「何があれば、これは難しくなりますか?」

よくある失敗は何ですか?

最も多い失敗は、まったく新しい提案をいきなり会議で発表し、「ご異議はありませんか?」と尋ねることです。その場の沈黙は、賛成であることはまれです。多くの場合、時間が必要か、本当の議論が後で個別に行われるという意味です。その理由は最も静かなチームメンバーが、いちばん大きなコストになる理由で解説しています。

もう一つの失敗は、根回しを支持を固める手段として使うことです。意見を聞いても何も変えなければ、相手はそれに気づきます。うまく行えば、根回しは提案そのものを変えます。

⚠️
注意 根回しは傾向であり、日本人の同僚全員が同じやり方をするルールではありません。チームの信頼できる人に、決定がふだんどう準備されるかを尋ね、それに合わせましょう。

次に何をすればよいですか?

日本人の同僚との会議が、丁寧な沈黙と遅い実行で終わることが多いなら、解決の鍵は多くの場合、発表ではなく準備にあります。ミーティング・ファシリテーション・プログラムでは、グローバルと日本のチームがこうした習慣を共に築くお手伝いをしています。チームに必要なことについて、お問い合わせからご相談ください。

よくある質問

根回しとはどういう意味ですか?

根回しとは、正式な会議の前に、一対一の非公式な対話を通じて意思決定の下準備をすることです。もともとは、木を移植する前に根の周りを掘って準備する園芸用語です。

根回しは、裏工作や裏取引とは違うのですか?

違います。根回しは、提案を発表する前に懸念を集め、案を磨くための、オープンで敬意ある方法です。誰も驚かされたり、人前で追い込まれたりしないようにします。目的は、よりよい提案と共通の当事者意識であり、人を出し抜くことではありません。

根回しと稟議はどう違いますか?

稟議は、書面の提案を承認者に順に回し、多くの場合は押印で承認を得る正式な手続きです。根回しは、その前に行う非公式の下準備で、正式な手続きに入る時点で提案がすでに理解され、支持されている状態をつくります。

日本人でないマネージャーが根回しを実践するには?

会議の前に、影響を受ける一人ひとりと一対一で話し、早めに草案を共有し、賛成ではなく懸念を尋ねます。そのうえで提案を修正し、相手の意見を反映したことを伝え、会議では合意済みの内容を確認する場にします。

日本のどの企業でも、根回しは同じように行われますか?

いいえ。求められる下準備の程度は、企業・業界・世代・意思決定の重要度によって異なります。強い傾向として捉え、信頼できる現地の同僚に、チームで決定がどう準備されるのかを尋ねてみましょう。

タグ
#nemawashi#japan#decision-making
Laura Abbott
Laura Abbott
Director, Focus Cubed
次のステップ

チームのコミュニケーションパターンの根本原因を特定する。

無料のチームコミュニケーション診断。短時間・観察ベースで、お申込み不要です。

診断を依頼する
続けて読む

関連記事